僕は
世の中には――僕を思い出したくない――おぞましい僕を思い出したくない奴はゴマんといる。――僕が思い出したくても――思い出してほしくない奴も――ゴマんといる。――それはきっと君がおぞましく思うように――僕が愛しているなんて思ってもいまい。――だったら――思い出すのは苦痛だが――それでも僕は思い出したいのだ――そうして――そうして僕は――僕を心底、僕を呪詛する君を――全力で――抱きしめよう――
« 耳嚢 巻之六 猥に奇藥を用間敷事 | トップページ | 栂尾明恵上人伝記 1 /カテゴリ「栂尾明恵上人伝記」始動 »