笛をふく墓鬼 大手拓次
笛をふく墓鬼
もぢやもぢやとたれた髮(かみ)の毛(け)、
あをいあばたの鼻(はな)、
ほそい眼(め)が奥(おく)からのぞいてゐる。
つちのうへをぺたぺたとあるいて、
すすいろのやせた手(て)をだしては笛(ふえ)をふく。
ものをすひこむやうなねいろである。
ふるへるやうなまやかしである。
[やぶちゃん注:「墓鬼」というのは拓次の造語と思われる。この辺り、まさに大手拓次版「稲生物怪録」張りである。]
« 五月 萩原朔太郎 | トップページ | 鬼城句集 春之部 梅 »
笛をふく墓鬼
もぢやもぢやとたれた髮(かみ)の毛(け)、
あをいあばたの鼻(はな)、
ほそい眼(め)が奥(おく)からのぞいてゐる。
つちのうへをぺたぺたとあるいて、
すすいろのやせた手(て)をだしては笛(ふえ)をふく。
ものをすひこむやうなねいろである。
ふるへるやうなまやかしである。
[やぶちゃん注:「墓鬼」というのは拓次の造語と思われる。この辺り、まさに大手拓次版「稲生物怪録」張りである。]