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2013/04/24

沢庵宗彭「鎌倉巡禮記」 36

   拜稻荷山淨妙寺開山塔、曰光明院行勇禪師

  月沈野水光明院  峯披靑雲祖塔婆

  當昔決竜蛇陣處  看來今日一僧伽

[やぶちゃん注:以上を底本の訓点を参考にしながら、私なりに書き下しておく。

   稻荷山淨妙寺開山塔を拜し、光明院行勇禪師を曰(よ)ばふ、

  月 野水に沈む 光明院

  峯 靑雲に披く 祖塔婆

  當昔(たうせき) 竜蛇陣を決する處

  看來 今日 一僧伽(そうぎや)

底本では標題の「曰」は「日」。勝手に「曰」と判断した。また、標題及び漢詩全文には送り仮名が全くなく、「曰」を「よばふ」(呼ばふ)と訓じたりしたのも私の独断である。大方の御批判を俟つ。

「當昔」往昔。古え。

「竜蛇陣」兵法の陣立ての一つ。「碧巌録」の第七十一則「百丈併却咽喉」〔百丈、咽喉(のど)を却(ふさ)ぐ〕の「頌」等に用例がある。ここでは禅の祖師らの公案の発問を言い、「決する」はそれを喝破し、悟達したことを指すものと思われる。

「看來今日一僧伽」「僧伽」は教団を言うが、ここは単に寺の堂のことであろう。先の浄明寺訪問記載を見れば――見たところ、今日只今は、ただの寂れた堂があるばかり――という謂いであることが分かる。]

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