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2013/04/12

栂尾明恵上人伝記 11 十三歳から十九歳 二つの夢記述

 

 

 十三歲より十九まで、金剛界の初行(しよぎやう)の期(き)に至るまで、每日三度、高雄の金堂に入堂す。七ケ年の間退轉(たいてん)することなし。願ふ所は永く世間の榮華を捨てゝ、名利(みやうり)の覊鎖(きづな)にほだされず、必ず文殊の威神(いじん)に依つて如實(によじつ)の正智(しやうち)を得て、佛意(ぶつえ)の源底(げんてい)を極め、聖敎(しやうけう)の深旨(しんし)を覺らんことを望む。然るに、世間に正しき知識もなし。誰(たれ)にか問ひ、何(いづ)れにか尋ねん。諸佛菩薩の加被(かび)に非ずんば、更に得べからざる處なりと思ひて、一心に佛力(ぶつりき)をたのみ仰ぐ。然る間常に種々奇特(きどく)不思議に覺えしことゞも有りき。

 

 或る夜の夢に、大高巖の上に奇麗(きれい)の灌頂堂(くわんぢやうだう)を立てゝ、師匠を受者(じゆしや)として、灌頂を授け奉ると見る。其の時は眞言師に成らんずることをも思はずして、祈請(きせい)の本意(ほんい)にも非ずと覺えき。惣(そう)じて、眞言師と云ふも、學生(がくしやう)と云ふも、誠に悟證(ごしやう)の分(ぶん)もなくて廣學(くわうがく)なるばかりは、浦山敷(うらやましく)も覺えず、唯佛(ほとけ)の出世(しゆつせ)の本意を悟り、佛法に於て、實(まこと)に佛心を得て、教(をしへ)の如くにつとめ修行せんことをのみ思ひき。

 

 或時の夢に、弘法大師、納凉房(のうりやうばう)の長押(なげし)を御枕(おんまくら)にして臥し給へり。其の二つの御眼(おんまなこ)水精(すいしやう)の玉(たま)の如くにして御枕もとにあり。是をたまはりて袖につゝみて持つと云ふことを見給ひき。

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