喪服の魚 大手拓次
喪服の魚
透明の水はうすあをい魚をはらみました。
ともしびはゆらゆらとして星のまばたく路をあゆみつづける。
こがねいろの波は香氣をふき、
あさみどりの葉はさびしいこゑをあげる。
ゑみわれる微笑の淵におぼれる魚のむれは、
たたまれてゐる秋の陶醉のなかににげてゆきます。
*
これをもって「濕氣の小馬」の章を終わる。
« 草の葉を追ひかける眼 大手拓次 | トップページ | ラムネ・他四編 萩原朔太郎 »
喪服の魚
透明の水はうすあをい魚をはらみました。
ともしびはゆらゆらとして星のまばたく路をあゆみつづける。
こがねいろの波は香氣をふき、
あさみどりの葉はさびしいこゑをあげる。
ゑみわれる微笑の淵におぼれる魚のむれは、
たたまれてゐる秋の陶醉のなかににげてゆきます。
*
これをもって「濕氣の小馬」の章を終わる。