萩原朔太郎 無題(夢みる/とほいとほい/とほくより/死病の月夜に/たまらなく生ぐさい/にほひ)
夢みる
くらげ
とほいとほい
とほくかより
たまらなく生ぐさい
春の夜死病の月夜に
たまらなく生ぐさい
にほひ
[やぶちゃん注:底本の第三巻『未發表詩篇』(三五五頁)に載るもの。無題。抹消部分を除去すると、
夢みる
とほいとほい
とほくより
死病の月夜に
たまらなく生ぐさい
にほひ
となる。
なお、底本には『本稿は』先に私が示したところの『「穴」と同一の用紙に書かれている。』という編者注がある。]