耳嚢 巻之七 又同法の事
又同法の事
水飴の中へ大根を薄く切りて一切れ入(いれ)置き、右大根の水不殘(のこらず)飴え吸(すい)候比(ころ)、大根を取出し、右水飴用ひて咳を留(とむ)る奇妙の由、人の語りぬ。
□やぶちゃん注
○前項連関:民間治療薬鎮咳(ちんがい)薬の二連発。この大根あめは私も聴いたことがある。現在でもその効用は謳われている。美麗なる個人サイト「母の手仕事・台所の知恵」の「大根あめの作り方~咳やのどの痛みにおすすめのレシピ」などを参照されたい。
■やぶちゃん現代語訳
また同じく咳を止める薬法の事
水飴の中へ大根を薄く切って一切れ入れ置き、その大根の水が残らず飴の方へ吸い出された頃、その大根は取り出し、かの水飴を服用すれば、咳を止めること、これ、絶妙の効果がある由、人の語って御座った。
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