美人陰有水仙花香 一休宗純
美人陰有水仙花香
楚臺應望更應攀
半夜玉床愁夢間
花綻一莖梅樹下
凌波仙子遶腰間
○やぶちゃんの訓読
美人の陰(ほと)に水仙花の香(か)有り
楚臺(そだい) 應(まさ)に望むべく 更に應(まさ)に攀(よ)づべし
半夜 玉床(ぎよくしやう) 愁夢(しうむ)の間(くわん)
花は綻(ほころ)ぶ 一莖 梅樹の下(もと)
凌波(りようは)の仙子(せんし) 腰間(えうくわん)を遶(めぐ)る
[やぶちゃん注:原文は国立国会図書館近代デジタルライブラリー「国訳禅学大成 第十九卷」の「狂雲集下巻」を視認した。底本では詩末に「遶一作逵。」(「遶」、一つに「逵」に作る。)とある。もし、これだと、ここは、
腰間(えうくわん)に逵(かく)る
と訓ずることになろうか。
実はこの詩の紹介はこれが初めてではない。既に「耳嚢 巻之二 一休和尚道歌の事」の注で示している。……時々……僕は……思い出すのである……]