眞似 萩原朔太郎
眞似(まね)
はらきりの眞似をするとて
弟の木刀を折りてしまひけり
くびつりの眞似をするとて
妹の人形をこわしてしまひけり
もはやせんなし
父の顏歪(ゆが)まぬうち
はやく家を逃げださん。
[やぶちゃん注:底本第三巻の『草稿詩篇「原稿散逸詩篇』に収録する一篇。「こわして」はママ。]
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眞似(まね)
はらきりの眞似をするとて
弟の木刀を折りてしまひけり
くびつりの眞似をするとて
妹の人形をこわしてしまひけり
もはやせんなし
父の顏歪(ゆが)まぬうち
はやく家を逃げださん。
[やぶちゃん注:底本第三巻の『草稿詩篇「原稿散逸詩篇』に収録する一篇。「こわして」はママ。]