陸橋を渡つて 萩原朔太郎 (「陸橋」初出形)
陸橋を渡つて
陸橋を渡つて行かう
黑くうづまく下水のやうに
もつれる軌道の高架をふんで
はるかな落日の部落へ出よう。
かしこに高く
天路を翔(か)けさる鳥のやうに
いと古色ある思想でさへも
一つの架橋を越えて跳躍しよう。
[やぶちゃん注:『表現』第一巻第二号・大正一〇(一九二一)年十二月号に掲載。次に示す大正一二(一九二三)年七月新潮社刊の詩集「蝶を夢む」所収の「陸橋」の初出形。]
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陸橋を渡つて
陸橋を渡つて行かう
黑くうづまく下水のやうに
もつれる軌道の高架をふんで
はるかな落日の部落へ出よう。
かしこに高く
天路を翔(か)けさる鳥のやうに
いと古色ある思想でさへも
一つの架橋を越えて跳躍しよう。
[やぶちゃん注:『表現』第一巻第二号・大正一〇(一九二一)年十二月号に掲載。次に示す大正一二(一九二三)年七月新潮社刊の詩集「蝶を夢む」所収の「陸橋」の初出形。]