嫉妬の馬 大手拓次
嫉妬の馬
かかへるやうな大きな幻想樂(フアンタアジア)、
わたしのからだは いま つぶやきの色をかへ、
あてどもなく夢の穴をほる。
濃いむらさきの細い角(つの)と
眞黄色(まつきいろ)な蹄(つめ)とをもつた女體(によたい)の馬(うま)は、
わたしの魂をおしつぶしおしつぶし、
絹(きぬ)のきもののなかをかけめぐる。
おまへは毛虫のやうな妖怪(えうくわい)だ!
うつくしいふにやふにやした妖怪だ!
[やぶちゃん注:太字「ふにやふにや」は底本では傍点「ヽ」。]
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嫉妬の馬
かかへるやうな大きな幻想樂(フアンタアジア)、
わたしのからだは いま つぶやきの色をかへ、
あてどもなく夢の穴をほる。
濃いむらさきの細い角(つの)と
眞黄色(まつきいろ)な蹄(つめ)とをもつた女體(によたい)の馬(うま)は、
わたしの魂をおしつぶしおしつぶし、
絹(きぬ)のきもののなかをかけめぐる。
おまへは毛虫のやうな妖怪(えうくわい)だ!
うつくしいふにやふにやした妖怪だ!
[やぶちゃん注:太字「ふにやふにや」は底本では傍点「ヽ」。]