Wistaria の香料 大手拓次
Wistaria の香料
銀のはりねずみをあそばせて、
なめらかな象牙(ざうげ)の珠(たま)をころがすやうに、
孤獨な物思ひはすることもなくたたずんでゐる。
いううつはくものあゆみのやうにひろがり、
竹笛をならすうたがひがしのびよる。
[やぶちゃん注:「Wistaria」藤の花。真正バラ類であるマメ目マメ科マメ亜科フジ連フジ Wisteria floribunda である。標準和名はノダフジ(野田藤)とも。フランスのファッション・ブランド
LANVIN(ランバン:一八八九年創業。)の“ÉCLAT D’ARPÈGE”(エクラ・ドゥ・アルページュ:「アルペジオ(分散和音)の華麗さ」といった意味か。)などには、このウィステリアの香料が使われているそうである。今度、買ってみよっと!]