創作と勞働 / あしき趣味 萩原朔太郎
創作と勞働
創作は天才の自由な飛翔である。創作は勞働ではない。そして勞働は創作ではない。――さて、あらゆる「藝術的なもの」を、あの汗くさい「勞働的なもの」から隔離せよ。詩人は勞働者の仲間ではない。
あしき趣味
勞働の讚美は、近代に於ける最も惡しき趣味の一つである。
[やぶちゃん注:『文學世界』創刊号・大正一一(一九二二)年十月号に掲載されたアフォリズム「孤獨者の手記から」三篇の内、後の二篇。底本の筑摩書房版全集第三巻の「アフォリズム拾遺」より。]