鬼城句集 夏之部 井戸替
井戸替 井戸替や櫓かけたる岡の寺
[やぶちゃん注:「井戸替」「いどがへ(いどがえ)」は「井戸浚(さらえ)」「晒し井」などとも称し、井戸水を清めるために井戸の中の水やその他の汚物塵芥を汲み出して掃除をすることであるが、古くは年中行事風に行なうことも多く、七月七日または六月中に行なわれていたことから夏の季語となった。因みにその折りのこの時期の江戸期風物としては、その井戸替えをする井戸の蓋の上に素麺(そうめん)を置いて、井戸の神・水の神に供える風習があり、これを「井戸替えの素麺」と称した。この句もその素麺の白い一点を画面の中に加えて見るのも一興と思われる。]
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