洋裝した十六の娘 大手拓次
洋裝した十六の娘
そのやはらかなまるい肩(かた)は、
まだあをい水蜜桃のやうに媚(こび)の芽(め)をふかないけれど、
すこしあせばんだうぶ毛(げ)がしろい肌にぴちやつとくつついてゐるやうすは、
なんだか、かんで食べたいやうな不思議なあまい食欲をそそる。
[やぶちゃん注:太字「ぴちやつ」は底本では傍点「ヽ」。]
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洋裝した十六の娘
そのやはらかなまるい肩(かた)は、
まだあをい水蜜桃のやうに媚(こび)の芽(め)をふかないけれど、
すこしあせばんだうぶ毛(げ)がしろい肌にぴちやつとくつついてゐるやうすは、
なんだか、かんで食べたいやうな不思議なあまい食欲をそそる。
[やぶちゃん注:太字「ぴちやつ」は底本では傍点「ヽ」。]