宗教のトリツク 萩原朔太郎
宗教のトリツク 暴風雨や、電光や、雷鳴や、洪水やで、まづ散々に牧場の羊をおびやかしておいて、さてその後でこそ、慈愛にみちた穩やかの春の光を照らすであらう。――すべての宗教の奸計(トリツク)がこれである。
[やぶちゃん注:大正一一(一九二二)年四月アルス刊のアフォリズム集「新しき欲情」の「第五放射線」より。「213」のナンバーを持つ。]
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