結婚と文學 萩原朔太郎
結婚と文學
結婚の利益は、女性の本質を知ることであり、結婚の損失は、女性への幻滅を知ることである。それ故に結婚しない小説家は、未だ女を書くことが出來ない。結婚した詩人は、もはや女を歌ふことができない。
[やぶちゃん注:「絶望の逃走」(昭和一〇(一九三五)年第一書房刊)の「第一章 女性・結婚・戀愛など」より。「出來ない」「できない」はママ。]
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