嬉しいメール
今朝未明、メールを開けて見ると、未知の方からメールが来ていた。
それは、何と
かの山本幡男氏から直接にかの遺書群を受け取り、それを辛くもラーゲリから日本へ持ち帰った、
辺見じゅん著「収容所ラーゲリから来た遺書」に、従って「山本幡男遺稿抄――やぶちゃん編――」に登場する、とても重要な人物(ここではその方の許諾を申し出ていないので伏せておく)のお孫さんなのであった。
生前、そのお祖父さまは、そのお孫さんに、かの稀有の体験については特に詳しくはお話なされなかったそうである(既に他界されておられる由)が、この度ふと、お祖父さまのことを思い出され、辺見氏の本を調べるうち、僕のブログに辿り着かれたのであった。
以下は、その末尾である。
『じっくり読んだ事のなかった本を読みたい
自分の子供にも読んでもらいたいと思いました
様々な巡り合わせはありますが
こうして祖父のこと
戦争の事、抑留のこと知る機会に今あることを感謝しております
勝手とは思いましたが
思わず感謝を伝えたくてメールしました
ありがとうございました。』
――野人となった今、僕は時々、自分がここやサイトでやっている好事の仕儀が、果たして如何程の人々の琴線に触れているのだろうかと、時々、少しばかり空しい気がすることがあるのだが……
しかし、このメールには、この嘘のような暑さの夏の一番の
いや――むくつけき孤独な野人と化してから、一番の嬉しいメールなのであった。