『風俗畫報』臨時増刊「江島・鵠沼・逗子・金澤名所圖會」より江の島の部 21 先哲の詩(4)
游江島 源定賢
乘遊臨碧岸。
探勝蹈靑巒。
碣石長天盡。
扶桑旭日寒。
三峰雲裊々。
六國海漫々。
霧霽驪龍窟。
風淸玉女壇。
遠帆分赤壁。
孤島浸波瀾。
縱目神鼈背。
蓬萊指掌看。
[やぶちゃん注:阿哈馬江氏のサイトの「親王・諸王略傳」に寛政九年(一七九七)九月十一日に伊勢神宮に使王として奉幣したとある「從五位下行兵庫助源朝臣定賢川越」川越兵庫助なる人物と同じか。識者の御教授を乞う。国立国会図書館の近代デジタルライブラリーの「相模國風土記」の「藝文部」で漢字を二箇所、訂した。
江島に游ぶ 源定賢
遊に乘じ 碧岸に臨み
探勝して 靑巒を蹈む
碣石(けつせき) 長天を盡き
扶桑 旭日 寒し
三峰 雲 裊々(でうでう)
六國(ろくこく) 海 漫々
霧 霽(は)る 驪(くろ)き龍窟
風 淸し 玉女の壇
遠帆 赤壁を分かち
孤島 波瀾に浸(ひた)る
目を縱(ほしいまま)にす 神鼈の背
蓬萊 指掌して看(み)す
「碣石」円柱状の石碑。
「裊々」は現代音「ジョウジョウ」で、しなやかに纏いつくさま、そよ風や煙などのなよなよとした樣。「嫋嫋」と同義。]

