鬼城句集 夏之部 瓜
瓜 瓜小屋に伊勢物語哀れかな
瓜小屋や莚屛風に二タ間あり
瓜主や使うて見する袖がらみ
[やぶちゃん注:「袖がらみ」袖搦は江戸時代に使用された長柄の捕り物道具。「袖絡」とも書き、「錑(もじり)」ともいう。先端にカエシのついた釣り針のような突起を持つ先端部分と、刺のついた鞘からなり、鞘に木製の柄に取り付けて使用する。抵抗する者の衣服に先端部分を引っ掛けて絡め取ることで相手の行動を封じ、捕縛するための武器。鞘の刺は相手に摑まれて奪われない様にするための工夫である。刺又・突棒などとともに捕り物の三つ道具と呼ばれ、通常は長さ七尺(約二・一メートル)で、相手が振るう打刀・長脇差の有効範囲外からの攻撃が可能である。瓜泥坊撃退用に小屋に置いてあったものか。
以上は参照したウィキの「袖搦」のパブリック・ドメイン画像。]
瓜小屋や夕立晴れて二日月