眞劍すぎる人 萩原朔太郎
眞劍すぎる人々 「藝術は實生活以外のものでない」と言つた古い自然主義の美學は、今日に於て尚且つまだあまりに多く學徒を持つて居ないか。彼の趣味や風流のためにするのでなく――そんな遊戲的なことの爲にするのでなく――もつと生命的な實際問題、即ちパンのために、商賣のために、そして要するに實生活の金儲けのために筆をとるところの、あまりに、眞劍すぎる多くの文學者を。(風刺として)
[やぶちゃん注:大正一一(一九二二)年四月アルス刊のアフォリズム集「新しき欲情」の「第五放射線」より。「232」のナンバーを持つ。下線部は底本では傍点「●」。]
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