覚醒を挟みながらしかも連続する不思議な夢
昨夜から今日の未明にかけて、不思議な夢を見た。
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僕の家の近くに、僕の教え子の夫婦(事実、その夫婦はともに僕の教え子である)の一家(事実と同様に彼らの三人の子がそこにいたのである)がアパートのようなところに住んでいる(この場所と住居は全く事実に反するのである)。
僕はそこに居候のように転がり込んで、一緒に暮らしているのである。
僕は狭いそのアパートの一室でその夫婦と文字通り川の字になって寝ていて、すぐ隣りの部屋に子らが寝ているのが見える。
朝になって、その夫君の方は仕事に出かける。
昼間、僕は日がな一日、その妻君と高校時代の話をして笑いあったり、三人の子らと国語の勉強をしながら、楽しそうに談笑している。
夕刻、夫君が帰ってくると、また一緒に音楽を聴き、酒を飲んで、一家と僕と、やはりなにやら愉快に談笑して夜は更けてゆく。
そうして僕らはまた川の字なりになって眠りにつく。夏の夜である……。
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この夢、何が不思議かといえば――その内容――ではない。
ある意味、かくも長い一日を大きな奇異もなく淡々と映す夢であったのだが、その間に僕は確実に二度ほど(それ以上かもしれないが、二度は確実)覚醒していたからである。
最初の一回目は、目覚めて隣りに寝ている僕の妻を確認し、冷房が強いのを感じてリモコンで下げながら(妻は冷房が嫌いである)、僕ははっきりと
「……もっとあの教え子夫婦の家に一緒にいる夢を見続けたいなぁ……」
と思って、耳鳴りのする左側頭部を枕に埋めて、また目を閉じたのだった。
小一時間し、うとうとと眠りに入ってみると――夢は覚醒直前の昼のシーンから、また全く切れ目なく続いて始まったのであった。……
ところが、それが未明にもう一度起こったのである。
隣りの父の家内でアリスが吠えるのを聴いて、目を薄らと開けながら、まだ外は仄暗く、眠気の中、再び、
「……もう少し……」
と確かに思ったのだった。
夢うつつのうちに、また少し寝入った。
すると――またしてもさっきまで見ていた最後の方の夜の酒盛りシーンが切れ目なく続いていていったのである。……
こうした確実な覚醒を挟みながら連続した夢を見たのは、大学生以来続けてきた記憶にある夢記述の中では、稀有のことであった。
……因みに
――夢の中の二人の夫婦は孰れも――僕が教えた当時の高校生の時の風貌そのままであった。……
……そして
――夢の中の僕は――その居候の僕は――確かにその一日中、
『――この二人を僕は確かに愛している――』
と心の内で秘かに何度も反芻していたことをも――覚えているのである。……

