題しらず 萩原朔太郎
題しらず
なじかはよるのふしどをぬけいで
けうとき闇路にまよびゆくらむ
よごとにおびゆるちのみごのいめにはあらで
わがたましひはふるへつつ
びたすらにふるへつつこよびも見るらむ
ああまたあさましきかのものゝの姿をば
(一九一三、五、)
[やぶちゃん注:底本の筑摩版全集第二巻の「習作集第八巻(愛憐詩篇ノート)」より。太字は底本では傍点「ヽ」。「かのものゝの」はママ。最後の「の」は衍字。「いめ」は夢の上代語。]
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題しらず
なじかはよるのふしどをぬけいで
けうとき闇路にまよびゆくらむ
よごとにおびゆるちのみごのいめにはあらで
わがたましひはふるへつつ
びたすらにふるへつつこよびも見るらむ
ああまたあさましきかのものゝの姿をば
(一九一三、五、)
[やぶちゃん注:底本の筑摩版全集第二巻の「習作集第八巻(愛憐詩篇ノート)」より。太字は底本では傍点「ヽ」。「かのものゝの」はママ。最後の「の」は衍字。「いめ」は夢の上代語。]