捕鯨船 二首 中島敦 (「小笠原紀行」より)
捕鯨船なりといふが北方に進み行くを見る
いすくはし鯨魚(くぢら)漁(いさ)ると父島の海人(あま)の猛夫(たけを)ら今船出する
[やぶちゃん注:「いすくはし」「くじら(鯨)」の枕詞。「勇細し」で、勇ましくすぐれている意、又は、魚の中でも素晴らしいもの、の意かともいう。上古より用いられた古代語である。]
白浪の恐(かしこ)き海を鯨船(くぢらぶね)巖(いほ)の門(と)過ぎて漕ぎ行くが見ゆ
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捕鯨船なりといふが北方に進み行くを見る
いすくはし鯨魚(くぢら)漁(いさ)ると父島の海人(あま)の猛夫(たけを)ら今船出する
[やぶちゃん注:「いすくはし」「くじら(鯨)」の枕詞。「勇細し」で、勇ましくすぐれている意、又は、魚の中でも素晴らしいもの、の意かともいう。上古より用いられた古代語である。]
白浪の恐(かしこ)き海を鯨船(くぢらぶね)巖(いほ)の門(と)過ぎて漕ぎ行くが見ゆ