四月の顏 大手拓次
四月の顏
ひかりはそのいろどりをのがれて、
あしおともかろく
かぎろひをうみつつ、
河のほとりにはねをのばす。
四月の顏はやはらかく、
またはぢらひのうちに溶(と)けながら
あらあらしくみだれて、
つぼみの花(はな)の裂(さ)けるおとをつらねてゆく。
こゑよ、
四月のあらあらしいこゑよ、
みだれても みだれても
やはらかいおまへの顏は
うすい絹(きぬ)のおもてにうつる靑(あを)い蝶蝶(てふてふ)の群(む)れ咲(ざ)き。
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四月の顏
ひかりはそのいろどりをのがれて、
あしおともかろく
かぎろひをうみつつ、
河のほとりにはねをのばす。
四月の顏はやはらかく、
またはぢらひのうちに溶(と)けながら
あらあらしくみだれて、
つぼみの花(はな)の裂(さ)けるおとをつらねてゆく。
こゑよ、
四月のあらあらしいこゑよ、
みだれても みだれても
やはらかいおまへの顏は
うすい絹(きぬ)のおもてにうつる靑(あを)い蝶蝶(てふてふ)の群(む)れ咲(ざ)き。