鬼城句集 夏之部 うぐひ/老鶯/蠅 動物 了
うぐひ 夕燒やうぐひ飛出る水五寸
老鶯 老鶯に一山法を守りけり
[やぶちゃん注:「老鶯」はここでは「らうあう(ろうおう)」で、ウグイスは俳句では「春告鳥」として春の季語であるが、これは春過ぎても鳴いている夏の鶯を指す。李賀の「殘絲曲」などにも見られる漢詩の詩語である。「老」とあるが、ウグイスの平均寿命は八年で、しかも初夏が繁殖期に当り、現在では八月下旬頃まで元気な音が聴かれる(二〇一三年八月現在、現に私の裏山で朝方から鳴いている)。但し、人里近くで鳴く春とは異なり、営巣する山林近くで比較的多く聴かれる傾向はある。秋も十月頃まで弱い囀りをすることがあるので、「老鶯」の印象は寧ろ、そちらの方が似合うように私には思われる。「夏鶯」「残鶯」などともいう。]
蠅 草の戸や二本さしたる蠅たゝき
蠅の宿産婦に蚊帳を吊りにけり
*
以上を以って「鬼城句集 夏之部 動物」は終わる。
« 國木田獨歩 忘れえぬ人々 単行本「武藏野」版(ルビ完備) + 同縦書版 | トップページ | 鬼城句集 夏之部 植物 茄子 »

