イコンとしての杖――富田木歩偶感 藪野直史
「やぶちゃんの電子テクスト:俳句篇」に僕の拙攷「イコンとしての杖――富田木歩偶感――」(+縦書版)を公開した。
亡き母聖子テレジアに捧ぐ――
これは、僕の今までの生涯で唯一度、原稿依頼を受けて書いた富田木歩についての拙稿「イコンとしての杖」(『俳句界』第178号2011年5月号「魅惑の俳人㉜ 冨田木歩」所収・藪野唯至名義)の原型である(引用句などは正字化した)。字数制限があったため、同誌のそれはこれを極端に縮めて投稿した。そのため、十全に僕の伝えたかったことが伝わらなかった嫌いがあった(発表直後に、この原型の稿を贈った知人は遙かにこちらの方に胸うたれたと言って呉れた)。
僕は、この『俳句界』の論考を唯一人、母にのみ読んで貰いたかった。しかし、母は同年4月下旬の同誌の発売を待つことなく、同2011年3月19日に天に召された。
だから僕は今、もう一度、あの時、天国の母に僕の言いたかったことを、ちゃんと告げたいと思う。
盆の中日に――
直史ルカ――
Fritz Kreisler plays 'Songs My Mother Taught Me' by Dvorak