鬼城句集 夏之部 箒木
箒木 草箒二本出來たり庵の産
小百姓の嬉しき布施や草箒
箒木の露ふり落すむぐらかな
[やぶちゃん注:「箒木」ナデシコ目ヒユ科バッシア属ホウキギ
Bassia scoparia。箒のような細かい茎が特徴的で、秋に紅葉して茎も真っ赤になる。昔は茎を乾燥して実際に箒として利用された。晩夏、黄緑色の小花をつけ、その実は「とんぶり」として食用に供される(主にウィキの「ホウキギ」に拠る)。因みに、恐らくはこんもりとした緑の鮮やかさからであろうが、有季俳諧に於いて私はこれが何故、「夏」の季語で「なくてはならない」のかが理解出来ない。]