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2013/09/14

鬼城句集 秋之部 月/十六夜

月     とく見よや門前月の出るところ

 

      庵の窓にまだ月のある二十日かな

 

      小百姓の醉うってねむるや月の秋

 

      月出でゝつんぼう草も眺めかな

 

[やぶちゃん注:「つんぼう草」キク目キク科タンポポ亜科タンポポ連アキノノゲシ Lactuca indica の異名で聾草(つんぼぐさ)のこと。タンポポの綿毛を小さくしたような種子がタンポポ同様、耳に入ると聾になるという迷信による。]

 

      名月や海につき出る利根の水

 

      月の戸やありあり見ゆる白馬經

 

[やぶちゃん注:「ありあり」の後半は底本では踊り字「〱」。「白馬經」享保一一(一七二六)年刊の俳諧作法書「芭蕉翁廿五箇条」。芭蕉撰とされるが各務支考の偽作疑惑が濃厚。蕉風俳諧の付合(つけあい)作法を説いたもの。「貞享式」とも呼ぶ。]

 

      飼猿や巣箱を出でゝ月に居る

 

      二三尺月に吹きあげる吹井かな

 

      山月や影法師飛んで谷の底

 

十六夜   甥の僧とさみしう酌みぬ十六夜

 

      十六夜ひとりで飮んで醉ひにけり

 

[やぶちゃん注:前句の組句になってこそ面白い句である。]

 

      月さして古蚊帳さむし十六夜

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