柳散り淸水かれ石ところところ 蕪村 萩原朔太郎 (評釈)
柳散り淸水かれ石ところところ
秋の日の力なく散らばつてゐる、野外の侘しい風物である。蕪村はこうした郊外野望に、特殊のうら悲しい情緒を感じ、多くの好い句を作つて居る。風景の中に縹渺する、彼のノスタルヂアの愁思であらう。
[やぶちゃん注:昭和一一(一九三六)年第一書房刊「郷愁の詩人與謝蕪村」の「秋の部」の掉尾。]
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