霧・ワルツ・ぎんがみ――秋冷羌笛賦 秋の最後の雨あがりて 四首 中島敦
(以下四首 秋の最後の雨あがりて)
海の靑空の碧(みどり)も眼に沁むよ幾日か降りし雨あがりたり
空霽れぬ冬の港に泊(とまり)する石炭船の腹の赤しも
空晴れぬ丘の麓の鋪道(しきみち)を自動車廻りキラリと光る
靑空にはたくと鳴る丘の上の三色旗(トリコロール)は色褪せにたり
« 雪が待つてゐる 大手拓次 | トップページ | 冬近し時雨の雲も此所よりぞ 蕪村 萩原朔太郎 (評釈) »
(以下四首 秋の最後の雨あがりて)
海の靑空の碧(みどり)も眼に沁むよ幾日か降りし雨あがりたり
空霽れぬ冬の港に泊(とまり)する石炭船の腹の赤しも
空晴れぬ丘の麓の鋪道(しきみち)を自動車廻りキラリと光る
靑空にはたくと鳴る丘の上の三色旗(トリコロール)は色褪せにたり