明恵上人夢記 24
24
一、大盤石有り。高き峯は極り無し。海水、上より流れて、瀧の水の如し。慶ぶべき殊勝之相あり。此に對ひて歡樂すと云々。
[やぶちゃん注:前後の連関は不明。前置きなしに頭から夢記述が始まっている。
「殊勝」この場合は、神々しい様子、心うたれるようなこと、の謂いである。]
■やぶちゃん現代語訳
一、夢を見た。「巨大なしっかりした石がある。その中央部は高い峰になっていて、およそ頂上は見えず、極りがない。突然、海の水が上より流れ下って来て、瀧の水の如くである。夢の中の私はそれを慶ぶべき神々しい象徴と受け取った。そしてこの無限からなだれ下ってくる海水の瀧に対峙して歓喜を覚えた。……」
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