雪が待つてゐる 大手拓次
雪が待つてゐる
そこには雪がまつてゐる、
そこには靑い透明な雪が待つてゐる、
みえない刃(は)をならべて
ほのほのやうに輝いてゐる。
船だねえ、
雪のびらびらした顏の船だねえ、
さういふものが、
いつたり きたりしてうごいてゐるのだ。
だれかの顏が だんだんのびてきたらしい。
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雪が待つてゐる
そこには雪がまつてゐる、
そこには靑い透明な雪が待つてゐる、
みえない刃(は)をならべて
ほのほのやうに輝いてゐる。
船だねえ、
雪のびらびらした顏の船だねえ、
さういふものが、
いつたり きたりしてうごいてゐるのだ。
だれかの顏が だんだんのびてきたらしい。
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