鬼城句集 秋之部 身に入む/行秋/秋雑
身に入む 身に入むや白髮かけたる杉の風
[やぶちゃん注:「身に入む」言わずもがなであるが、「みにしむ」と読み、「身に沁む」である。歌語から援用された季語。]
行秋 行秋や蠅に嚙み付く蟻の牙
行秋や糸に吊して唐辛子
行秋や沼の日向に浮く蛙
秋雜 瘦馬のあはれ機嫌や秋高し
嬉しさや大豆小豆の庭の秋
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これを以って「鬼城句集」の「秋之部 時候」を終わる。
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