うら枯や家をめぐりて醍醐道 蕪村 萩原朔太郎 (評釈)
うら枯や家をめぐりて醍醐道
畠の中にある田舍の家。外には木枯しが吹き渡り、家の周圍には、荒寥とした畦道が續いて居る。寂しい、孤獨の中に震へる人生の姿である。私の故郷上州には、かうした荒寥たる田舍が多く、とりわけこの句の情感が、身に沁しみて強く感じられる。
[やぶちゃん注:昭和一一(一九三六)年第一書房刊「郷愁の詩人與謝蕪村」の「秋の部」より。]
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