僕の中学校――「伏木中学校の歌」――
僕は富山県高岡市立伏木中学校卒である。
僕は如何なる出身校にも、また教師時代に経巡った6つの高校の孰れにも愛校精神を持たない。
しかし、何故かそれぞれの校歌は覚えている。
覚えているが歌いたいと思うものは少ない。
少ないが忘れ難いある不思議な郷愁を感じるものが一つだけある。
それがこの「伏木中学校の歌」である。
それは校歌ではないのである。
飽くまで「伏木中学校の歌」なのである。
校歌を持たない学校というのは恐らく珍しいのではあるまいか。
作詞は伏木出身の作家堀田善衛、作曲は團伊玖磨である。
その成立経緯については個人ブログ「東急沿線 酒と読書とフロンターレの日々」の「伏木中学校の歌」に詳しい(この方は僕より若い)。
……僕はあのしょぼくれた自分の中学時代の……この前奏歌と後奏歌を持つ、そして何かどこかくすぐったいけれど、妙な郷愁をそそる、この「歌」を何故かどうしても今も……「嫌いになれずに」――いるのである……