中島敦 南洋日記 十月二日
十月二日(木)
四時クサイ入港、五時食事、六時前上陸、船長その他とレロ島一周。ゴバンの脚の白き花。途中スコールに遭ふ、島民家庭に避ける。七時半乘船、八時半出帆、午後より夜にかけて、やゝ荒氣味、
[やぶちゃん注:「ゴバンの脚の白き花」「ゴバンの脚」が植物名である。常緑高木である双子葉植物綱ツツジ目サガリバナ科サガリバナ属ゴバンノアシ
Barringtonia asiatica。和名は、果実が四稜を有して碁盤の脚に似ていることに由来する。インド太平洋の熱帯域の海岸及びマングローブに生育する(日本では八重山諸島にわずかに自生)。花は総状花序で上向きに開花する(同属のサガリバナ
Barringtonia racemosa の花はその名の通りに下向きとなる)。花弁は白く、雄蕊が赤く多数あって美しく、目立つ。果実は種子を一個含み、海水に浮いて遠くへ播種され、本邦海岸線にも漂着物として見られることがある。サポニンを主成分とする魚毒性を持ち、毒流し漁に用いられる(ここまでは主にウィキの「ゴバンノアシ」に拠ったが、非常に分かり易い(何故「碁盤の脚」かという)説明や写真の載る「科学技術研究所」の図鑑の「ゴバンノアシ(碁盤の脚)」も必見である)。]

