鬼城句集 秋之部 藻刈/
藻刈 藻を刈るや西日に沈む影法師
藻を刈りてさみしう浮ける蛙かな
[やぶちゃん注:「藻刈」は沼・池・川・海などに茂った藻を刈り取ることであるが、季題としては夏であるから不審である(因みに二句目の「蛙」は単独では春の季語である)。]
天長節 天長節小菊結びて轅かな
[やぶちゃん注:「天長節」言わずもがなであるが、現在の文化の日、明治天皇の誕生日を指す。「轅」は「ながえ」(原義は「長柄」の意)馬車・牛車などの前方に長く突き出ている先端に附した軛(くびき)に牛や馬を配して曳かせる二本の棒の部分。]