日本その日その日 E.S.モース(石川欣一訳) 第三章 日光の諸寺院と山の村落 15 裸族?
中禅寺の村は冬には人がいなくなる。今は七月の第一週であるが、それでも僅かの家にしか人が入っていない。然しもうしばらくすると、何千人という旅人が男体登山にやって来て、どの家にも部屋を求める人達が一杯になる。田舎の家や旅籠(はたご)屋は炊事に薪を使用するので、板の間はピカピカに磨いてあるが、台所の桷は黒くすすけている。
[やぶちゃん注:「今は七月の第一週」モースの日光旅行は東京発六月二十九日(金曜)から東京着七月八日(日曜)までの十日間であった。
「桷」既にルビが振られているが、「たるき」である。]
奥地へ入って見ると、衣服は何か重大なことがある時にのみ使われるらしく、子供は丸裸、男もそれに近く、女は部分的に裸でいる。
[やぶちゃん注:原始人の裸族のようで解せない。これは単に夏だからと思われる。]
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