よりかかる鐘の音 大手拓次
よりかかる鐘の音
また いつとなく
鐘は こころのなかの とびらをたたき、
しろく よりかかる。
おもひでの ほたるぶくろの花のゆれるやうに
鐘のねは すがたもなく、
遠遠(とうどう)に こころの窗によりかかり、
しづけさの かぜのおもてに 手をのべる。
[やぶちゃん注:「遠遠(とうどう)」のルビはママ。正しくは歴史的仮名遣「とほどほ」、現代仮名遣「とおどお」であるが、私にはこれですこぶる自然に響く。]
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よりかかる鐘の音
また いつとなく
鐘は こころのなかの とびらをたたき、
しろく よりかかる。
おもひでの ほたるぶくろの花のゆれるやうに
鐘のねは すがたもなく、
遠遠(とうどう)に こころの窗によりかかり、
しづけさの かぜのおもてに 手をのべる。
[やぶちゃん注:「遠遠(とうどう)」のルビはママ。正しくは歴史的仮名遣「とほどほ」、現代仮名遣「とおどお」であるが、私にはこれですこぶる自然に響く。]