鬼城句集 秋之部 柿
柿 柿賣つて何買ふ尼の身そらかな
柿秋や交易の市も昨日今日
柿秋や追へどもすぐ來る寺烏
柿の木に小弓をかけて晴れにけり
[やぶちゃん注:「小弓」は「こゆみ/おゆみ」で遊戯用の小さな弓、ここは下弦の月以降有明月までのそれを柿の木に懸けたそれに見立てたものか。ただ案山子のように鳥除けに実際に小弓を懸ける呪(まじな)いとしての風習が地方にないとは断言出来ない。識者の御教授を乞う。]
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