噴水の上に眠るものの聲 大手拓次 《第15連》
ひとつの言葉は跫音である。くさむらのなかにこもる女の跫音である。とほのいては消えがてに、またちかづくみづ色の跫音である。そのよわよわしさは、ながれる蝶のはねである。おさへようとすればくづれてしまふ果敢なさである。
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ひとつの言葉は跫音である。くさむらのなかにこもる女の跫音である。とほのいては消えがてに、またちかづくみづ色の跫音である。そのよわよわしさは、ながれる蝶のはねである。おさへようとすればくづれてしまふ果敢なさである。