中島敦 南洋日記 十月七日
十月七日(火) 夏島
昨夜は、隣家の酒宴騷ぎと、蚊と蟻とのため、殆ど睡らず、蚊帳には、穴あきたりと見ゆ。六時半朝食、まづし。八時支廳。直ちに公學校授業參觀、
晝食後、午睡。二時半より散歩。マヅイまんぢう。曇時々雨。
夕方堀氏來。明日の冬鳥に行の打合せをなす。トラック旅館の食事宜しからず、
« 柚の花やゆかしき母屋の乾隅 蕪村 萩原朔太郎 (評釈) | トップページ | 日本その日その日 E.S.モース(石川欣一訳) 第四章 再び東京へ 10 神棚/走馬燈 »