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2013/11/07

日本その日その日 E.S.モース(石川欣一訳) 第四章 再び東京へ 13 タカアシガニの甲羅を被った男


M109


図―109

 

 大人が寛容で子供が行儀がいい一例として、どんなに変った、奇怪なみなりをした人が来ても、それに向って叫んだり笑ったり、何等かの方法で邪魔をしたりしない。私は帽子として大きな日本の蟹の甲羅をかぶっている人を見たことがある(図109)。これは日本の近海でとれる巨大な蟹で胴体の長さが一フィート以上に達し、爪は両方へ四、五フィートもつき出している。この男が歩いて行くのを多くの人が眺め、中には微笑した人もあった。殆ど全部の人々が頭を露出しているのに、これはまた奇妙な物をかぶったものである。

[やぶちゃん注:「日本の近海でとれる巨大な蟹で胴体の長さが一フィート以上に達し、爪は両方へ四、五フィートもつき出している」甲長(前後長)30センチメートル強、鋏脚長は左右それぞれ1・2~1・5メートル。この甲羅はモースの示した大きさから甲殻亜門軟甲綱真軟甲亜綱ホンエビ上目十脚目抱卵亜目短尾下目クモガニ科タカアシガニ Macrocheira kaempferi のそれである。タカアシガニの大きな♂では鋏脚を広げると3メートルを超える。甲羅は最大で甲幅30センチメートルで甲長は40センチメートルに及ぶ楕円形。盛り上っていて丸味を帯び、複眼が甲羅の前方に並んで複眼の間には斜めの鋭い棘が左右に突き出している(モースの図もそれを的確に描いている。但し、参照したウィキタカアシガニ」によれば、若い個体は甲羅に毛や棘があって複眼の間の棘も長いが、成熟すると毛は短くなり棘も目立たなくなるとある)。『生息域は岩手県沖から九州までの太平洋岸で、東シナ海、駿河湾、土佐湾で』、『日本近海の固有種と言われていたが、1989年に台湾の東方沖で見つかっている。水深150-800メートルほどの深海砂泥底に生息し(特に水深200-300メートルに多い)、春の産卵期には、水深50メートル程度の浅いところまで移動して産卵する』。なお、偶然であるが、本種の種小名は先の浅草寺のところに出たエンゲルベルト・ケンペルに因んで名づけられたもので、彼の生誕三五〇年の折には剥製がドイツに送られた、とウィキの同記載にある。]

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