鬼城句集 冬之部 冬空 / 冬の雨
冬空 冬空を塞いで高し榛名山
冬の雨 大木の表ぬれけり冬の雨
冬雨や蔓竿靑き竹の庵
[やぶちゃん注:これは群馬県高崎市鞘町(さやちょう)にあった鬼城庵の景か。同庵は昭和二(一九二七)年、鬼城六十四歳の時に全焼してしまい、翌年、師高浜虚子などの俳人たちの助力で高崎並榎町(なみえまち)に新居が完成、当時は裾野が広がる榛名山と向かい合った、遠く浅間や妙義の峰々も望める高台という環境で、鬼城はここで絵を描く楽しさに親しむようになった。ここを「並榎村舎」と称して俳句活動の拠点とし、後進の指導に当たった(ここは現在、村上鬼城記念館(リンク先は同公式サイト)として公開されている。以上は前にも掲げた「高崎新聞」公式サイトの「近代高崎150年の精神 高崎人物風土記」にある「村上鬼城」に拠った)。]
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