中島敦 南洋日記 十一月十九日
十一月十九日(水) 晴時に曇
朝七時ヤップ入港、椰子樹間にアバイの見ゆる風景佳し。九時上陸、支廳に赴き田代屬と歸途滯在について打合せ小林支廳長に挨拶、十時過歸船。オレンヂを喰ひ葉書を書く。麻雀、渡邊氏のあとに、高柳氏入り來る。久保田萬太郎派の俳人の由。
[やぶちゃん注:「バイ」“bay”でベイ(湾)のことであろう。
「属」は属官で判任官(はんにんかん)のこと。明治憲法下の正式な官吏等級の最下級である八等出仕以下を指す。高等官(親任官・勅任官・奏任官)の下に位置していた。
「高柳氏」かくあるが不詳。]

