甕 八木重吉
甕(かめ)
甕 を いくつしみたい、
この日 ああ
甕よ、 こころのしづけさにうかぶ その甕
なんにもない
おまへの うつろよ
甕よ、 わたしの むねは
『甕よ!』と おまへを よびながら
あやしくも ふるへる
[やぶちゃん注:現行テクストでは一行目末には読点はない。私の底本は幽かに掠れて汚れのようにも見えるが、位置と形及び他の詩の句末読点とを検討して読点と判じた。]
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