萩原朔太郎 短歌三首 明治三六(一九〇三)年三月
白(しろ)黄(き)紅(べに)花さまざまの菊に醉ひてとなりの翁けふもひるいする
そゞろにも逍遙ふ野邊の朝ぼらけ山西にはれて虹の彩ほそき
別れては京の白梅興もなし笛をたよりに加茂下り行く
[やぶちゃん注:『坂東太郎』第三十五号(明治三六(一九〇三)年三月発行)に「美棹」の雅号で掲載された三首。萩原朔太郎満十六歳。一首目の「ひるい」は「昼寝る」か。]
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