オリンピックの身代金(TVドラマ)
何となく気になって録画しておいた、TVドラマ「オリンピックの身代金」を見た。「ALWAYS 三丁目の夕日」のネガティヴ版、「相棒」に登場する俳優が脇を固めていて、「相棒」的人間関係の偶然的組み合わせなど、「相棒」ファンならまずはこたえられない感じだが、新シリーズになって脆弱化した「相棒」の脚本に比べれば遙かに良くできている。特に第一夜では、どうも涙腺が緩みがちな昨今の僕には、同時代人(東京オリンピック時に私は小学校2年生だった)としては、景観とともに何度か涙が滲んだ。そうして何よりも――これは古くて新しい――と感じた。あの時と全く同じことが――次期オリンピックを「震災復興」という白々しい看板を掲げながら、東北をスケープ・ゴートにしている、ファッショ化する今の日本――という痛烈なアイロニイとして僕には感じられたのである。未見の方は、必見である。
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