『風俗畫報』臨時増刊「江島・鵠沼・逗子・金澤名所圖會」より江の島の部 21 先哲の詩(16)
畫島眺望 武龍〔字孟玉〕
烟含孤島鎖岩嶢。
此日登臨風色驕。
玉樹丹崖浮海出。
芙蓉白雪倚空遙。
仙人駕鶴雲來去。
龍女凌波月動搖。
歸棹忽疑從博望。
星槎一片下靑宵。
[やぶちゃん注:江戸後期の写本漢詩文集「北海漫草」(ほっかいまんそう)の作者として武龍孟玉の名がある。
畫(ゑ)の島眺望 武龍〔字は孟玉。〕
烟 孤島を含み 岩嶢(がんげう)を鎖し
此の日 登り臨むに 風色 驕たり
玉樹 丹崖 海に浮きて出で
芙蓉 白雪 空に倚りて遙けし
仙人 鶴に駕し 雲 來たつては去り
龍女 波に凌(の)り 月 動きつ搖れつ
歸棹(きたう) 忽ち疑ふ 博望に從(よ)り
星槎一片 靑宵の下
尾聯が何だか半可通である。]
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